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宇宙エレベータを時速200kmの等速度で駆け上がると,どんな力を受けるのか [ざれごと]このエントリーを含むはてなブックマーク#

spaceElevator-02.png

宇宙エレベータは,静止している時には,特別な力を受けません.では,宇宙エレベータ上をを輸送機(カーゴ)が動いたら,どんな力を受けるのでしょうか.

コリオリの力,だったっけ?

回転する系のなかで直線運動をする物体には,コリオリの力と呼ばれる運動方向とは直角の力を受けるとされています.宇宙エレベータをカーゴが上昇・下降する場合にも,コリオリの力を受けると考えられます.

ここでは,参考文献から,カーゴの速度を 200km/h (55.6m/s)と仮定します.この新幹線並みの速度でも,静止軌道に達するには,180時間,つまり一週間強の時間が必要です.また,カーゴの総質量は 10,000kg と仮定します.

この条件で,カーゴが Δt 秒間に r から r + Δr まで上昇したとします.この間,カーゴは宇宙エレベータに沿って上昇するため,角加速度(ω)は不変です.したがって,カーゴの横向きの回転速度は, Δr×ω だけ増加(加速)することになります.よって,カーゴが受ける横向きの加速度は,以下のようになります.

このとき,カーゴ全体が受ける横向きの力は,以下のようになります.

コリオリの力を打ち消す力

このカーゴが受ける力は,宇宙エレベータの紐から東向きに受ける力です.そのため,反作用として紐は西向きに同じ大きさの力を受けます.宇宙エレベータの構造上,この力は,紐の張力によって相殺するしかありません.もし,張力がコリオリの力の1万倍(この例では41,000kgf)だったと仮定すると,紐は,その長さの一万分の一ほど西の方向に引っ張られます.たった一万分の一ではありません.紐の長さが半端ではないので,数キロメートルほど引っ張られてしまうことになります.

宇宙エレベータの紐自身の質量から,張力は静止軌道に近づくほど小さくなるため,コリオリの力の影響が大きくなっていき,西に引っ張られる距離も長くなります.等速度運動でさえ,こんな状態になってしまうのですが,加速・減速をすると,どうなってしまうのでしょう.

参考文献

宇宙エレベーター−宇宙旅行を可能にする新技術−

宇宙エレベーター−宇宙旅行を可能にする新技術−

  • 作者: 石川憲二
  • 出版社/メーカー: オーム社
  • 発売日: 2010/02/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

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コメント 12

hamayan

どうなるのでしょう?。ワクワクしますね。
by hamayan (2010-03-13 17:58) 

hamayan

そうそう、想定では静止衛星から紐を垂らすのだけれど、その垂らした紐にも当然コリオリの力を受けるのですよね。
しかも垂らし始めた状態では自重による張力ははるかに小さい訳で。
なんかたんなる吹き流しになっちゃいませんか?。

by hamayan (2010-03-13 18:15) 

noritan

コリオリの力は,回転する系の中を運動する物体に働く力で,その速度に比例する力が働きます.コリオリさんが目を覚まさないように,そ~っと垂らすのですよ.
垂らし始めは先端にオモリを付けておくと良さそうだけど,引力が小さい状態で振れる,べらぼうに長い振り子の周期は,すごく長くなりそうですね.また,計算してみたくなったぞ.

by noritan (2010-03-13 19:28) 

hamayan

ちょっとカン違いしていたようですね。

そもそも静止衛星から地表に向けて紐を垂らした場合、静止衛星軌道上の紐は水平方向に10,990km/hで運動しているが、それを地表に降ろした場合は速度0にしなければならず、一体どこでどうやって減速するのか?と思っていましたが、その静止衛星軌道上から紐を垂らすと言うのが間違いみたいです。
ちなみに減速せずに地表に到達するとマッハ7.6くらいかな。地球自体が1,650km/hですからね。

実際にはもっと低軌道で垂らし始め、静止衛星軌道までプラットホームを持ち上げると同時に紐も地表に降ろすと。
まあそうなれば減速する速度自体も小さくはなります。完全に納得できるものではないですけれど。

だったらそんなややこしい事せず、紐を付けたロケットを飛ばせば良いジャン。

by hamayan (2010-03-13 20:27) 

noritan

静止衛星軌道から紐を垂らすという理解で間違いないと思います.紐は,地球の周りを円運動しているので,紐のどの点にも,地球にに向かう引力と地球から遠ざかる遠心力しか働きません.つまり,運動している円の法線方向には力を受けるけれど,接線方向には力を受けません.したがって,定常的にたなびく事もありません.

もし,低軌道にプラットフォームを配置してしまうと,その公転角速度は,地球の自転角速度よりも大きくなります.したがって,地球からみた時の速度,対地速度が大きくなります.その点,最初から静止軌道にプラットフォームを配置した場合には,プラットフォームの公転角速度と地球の自転角速度が一致するので,対地速度という意味では,ゼロになります.

1650km/hで回転している地表面で感じる遠心力が気にならないぐらいに,重力という力は,大きいのですよ.
by noritan (2010-03-13 21:33) 

hamayan

低軌道から高軌道へ移動する話。

http://jsea.jp/ja/what-is-spaceelevator-05

by hamayan (2010-03-13 21:46) 

hamayan

> 運動している円の法線方向には力を受けるけれど,接線方向には力を受けません.

接線方向の運動エネルギーは回転半径が変化してもそのまま維持されるのだから、つまり半径が小さくなれば角速度が増す方向に向っているので、減速せずに垂直に紐を降ろす事はできないと思います。
紐の先にボールを結んでぐるぐる回して、その状態で紐を短くすると回転速度が上がるあれですね。
もちろん紐が降りてくるに従って地球も速く回ってくれれば別ですが。

10,990km/hと言う速度は静止衛星軌道の位置なら一日掛けて一周する速度ですが、例えば地球の赤道方向の円周は約40,000kmなので約3.7時間で一周可能ですよね。一日では約6.5周ですが地球自身も回っているので1周引いて5.5周ぐるりと紐が巻き付いてしまいます。

by hamayan (2010-03-13 23:04) 

noritan

> 低軌道から高軌道へ移動する話。

これだと,すべての紐を静止軌道に上げる必要がないから,省エネになるのですね.と,書くまえに,チョイト計算をしてみたのですが,地球を円運動する物体の位置エネルギーは,どうやって計算するのだろう.重力の影響だけ考えればいいのかな.

> 減速せずに垂直に紐を降ろす

減速はされます.紐が静止衛星につながっているので,静止衛星が紐を減速させる方向に引く,つまり,静止衛星にとっては,紐に引っ張られて加速する向きに力を受けます.それを,地球とは反対方向に紐を伸ばして相殺します.

紐は力を受けることによって加速度を生じ,減速します.最終的に地球の重心に向かう向きになったところで接線方向に受ける力がゼロになるので,紐は垂直になります.
by noritan (2010-03-14 11:56) 

hamayan

なるほど、つまり反対方向に出すカウンターウエイトが法線方向だけでなく、接線方向へのベクトルも打ち消すので、垂直に降ろす事が可能なのですね。すっきりしました。

ところで実際に軌道エレベータを上下する時は静止衛星に滑車を付けて、ペイロードを上げる時は滑車の逆に接続されたカウンターウエイトを降ろす方法で良いのではないかと思えてきました。つまり現在その辺のビルに設置されているエレベーターの原理そのものですね。

速度が遅いからでしょうけれどリニアモーターで移動するとか言った説もありますが、どうやって紐にリニアモーターの軌道を設置するつもりなんだろう。電源供給方法も全く不明だし。

あ、でも紐の強度からテーパー状にしないと無理とか言う話もあるし、そうなった場合静止衛星軌道では紐の直径ってどれ位になるんですかね?。

by hamayan (2010-03-14 12:49) 

hamayan

> 紐は垂直になります

ちなみにこの状態になるのは紐を繰り出すのを停止した時ですよね。
停止した時までは接線方向のベクトルは受け続けるので、、、でかい振り子だなぁ。

by hamayan (2010-03-14 12:55) 

noritan

参考文献の中に,滑車を利用した,まさにエレベータ方式のカーゴのアイディアも出てきました.静止軌道上にただし,大気圏外で潤滑油を使用すると蒸発しやすいので問題が起こるとか.

自走式カーゴの場合,電源の供給は,太陽電池を利用して自前で電力を作るとか,マイクロ波を受信してエネルギーに変換するとか,色々と方法があるそうです.

by noritan (2010-03-14 13:27) 

hamayan

なるほど、軸受けに使う潤滑油が蒸発してしまうのは想定外だな。
なら、軸受けこそリニアモーターにしてしまえば。常に軸と滑車の間は浮いているなら潤滑油は必要ではない。
問題はテーパー状の紐に対応できない事か。

自走式の場合、動力及び電源の重量も持ち上げなければならないと言う負のループが有って実用的に思えない。

マイクロ波も現実に実用的なシステムもできていないし、そんな巨大電子レンジの中に入る不安感も解消していない。

by hamayan (2010-03-14 14:11) 

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